生産者の繁栄
私たちの使命
カカオ農家の生産性向上と収入源の多様化を通じて、農家のレジリエンス(回復力・適応力)を強化します。
課題
カカオは主に、赤道地域の農村部に暮らす小規模農家によって生産されています。しかし、そのサプライチェーンは多くの課題を抱えています。農家は農地への投資に必要な資金が限られているほか、児童労働の高い発生率、老朽化したカカオ樹木、土壌劣化、気候変動の影響、カカオ価格の大きな変動、そして地域社会における基本的なインフラ不足といった問題に直面しています。
これらの課題が重なった結果、カカオの生産性は長年にわたり低い水準にとどまっており、多くの地域では生産量の停滞や減少が見られます。また、カカオ価格は非常に変動が大きく、一時的に高騰する年がある一方で、その後は再び低い水準に戻ることがあります。しかし、多くの農家にとっては、価格が高騰した時期であっても長期的な所得の安定にはつながっていません。収量の低さや価格変動の大きさが収益向上の妨げとなり、土壌改良や農園の再生、気候変動への適応に必要な再投資を行うことが難しい状況が続いています。
現在のカカオ栽培モデルでは、実際に行われている投資額を大幅に上回る投資が必要とされています。具体的には、1ヘクタール当たり120米ドルから900米ドルへ、約7.5倍の投資拡大が求められています。
こうした投資には、収穫前の労働力への投資、肥料や農業資材などの投入、優良苗木の導入、アグロフォレストリー(森林農法)の推進などが含まれます。
これらは、農園の潜在能力を最大限に引き出し、農家の所得向上を実現するために不可欠です。
カカオ農家が生活所得(Living Income)を達成するためには、イノベーションの活用や可能な範囲での機械化、さらに重要な農業資材への安定したアクセスを通じて、カカオ栽培の近代化を進める必要があります。それにより、長期的に安定したカカオ供給の確保が可能となります。
さらに、研究開発(R&D)、知識移転、適切な農業慣行の普及など、実際に必要とされる投資を反映した政策の整備を進め、農業を取り巻く環境を強化していくことも重要です。こうした取り組みが、業界全体の持続的な変革につながります。
私たちのアプローチ
私たちは、カカオ農家の収穫量向上と農園経営のレジリエンス強化を可能にする重要な要素に重点を置き、生産者の繁栄を支援しています。
具体的には、以下の戦略的重点分野に取り組んでいます。
- 土壌管理の強化
持続的かつ長期的なカカオ生産性向上を実現するための包括的な土壌管理 - 労働力への投資
特に収穫前の栽培管理作業を強化し、収量向上を促進 - カカオ苗木の研究開発(R&D)への投資
より高い生産性と耐性を備えた植栽材料の開発・普及 - 総合的な病害虫管理(IPDM)
カカオ生産性を脅かす病害虫への持続可能な対策を推進 - アグロフォレストリー(森林農法)
推奨される農業モデルの重要な構成要素として導入・普及
現場からの取り組み
サプライチェーン全体で展開されているインパクトのある取り組み事例をご紹介します。これらの事例は、私たちの使命の中核をなす努力、献身、そして革新的なアプローチを示すものです。