アグロフォレストリー

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何の対策も講じなければ、将来的には気候変動の影響により、主要なカカオ生産地域でカカオ栽培が不可能になる可能性があります。カカオ栽培システムのレジリエンスを高める方法の一つが、古くから知られている農法であるアグロフォレストリー(森林農法)です。

十分に確立されたカカオ・アグロフォレストリーシステムでは、同じ土地にカカオの木と複数の種類のシェードツリー(遮蔭樹)を組み合わせて栽培します。これにより、気温変化や病害に対する耐性が高まります。

適切な樹冠被覆を提供するシェードツリーは、カカオを高温や水不足によるストレスから保護し、最適な生育と長期的な生産性を支えます。また、こうしたシステムは生物多様性を高め、土壌の健全性を改善します。

さらに、シェードツリーは主食作物、果実、木材など、多様な産物を農家にもたらします。これらは家庭内で消費されるだけでなく、市場で販売することもできるため、食料安全保障の向上にも貢献します。

一例として、ココアホライズンはカメルーンのカカオ農園におけるアグロフォレストリーシステムを調査しました。これらの農園は40年以上にわたり安定的に維持されており、定期的な樹木更新と比較的少ない投入資材で継続的な生産が行われています。

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アグロフォレストリーモデルは固定的なものではなく、さまざまな構成要素や選択肢があります。ココアホライズンでは、最大30%程度の樹冠被覆率を推奨しており、これによりカカオの長寿命化と安定した生産性の維持が可能になると考えています。プログラムで提供されるシェードツリーは地域や国によって異なりますが、いずれの場合も在来樹種と果樹が含まれています。

アグロフォレストリーは、気候変動に対するカカオ栽培のレジリエンス強化に大きく貢献するとともに、生態系サービス全般にも好影響を与えます。また、アグロフォレストリーは炭素排出削減の手段でもあります。樹木は地上部(幹、枝、葉)および地下部(根、落葉層)に炭素を蓄積するため、大気中のCO₂削減に貢献します。しかし、炭素貯留は長期間維持されて初めて意味を持ちます。そのため、樹木の長期的な生育状況が極めて重要となります。このことから、ココアホライズンでは生態系サービスに対する支払い(Payment for Ecosystem Services: PES)を導入し、農家に対して10年間にわたり支払いを実施しています。また、プロジェクト期間全体を通じた長期モニタリング戦略を組み合わせることで、持続的な成果の実現を目指しています。