GROWING IMPACT, DRIVING CHANGE

生産性

カカオの未来を守るためには、1ヘクタール当たりの収穫量を増やして生産者の収入が増えるよう支援し、持続的な供給を確保しなければなりません。

世帯収入を維持し、若い女性を含む次世代の生産者にとってカカオ生産が現実的な選択肢であり続けるには、より適切な方法でカカオを生産する必要があります。

このため財団は、アフリカのカカオ生産地域におけるコミュニティ開発イニシアティブと並行して、生産性を向上させるためのトレーニングと支援に特に力を入れています。これは生産者の生計とコミュニティを改善し、極度の貧困をなくすための第一歩です。

生産性を向上させるための生産者トレーニングと生産者支援プログラムについてもっと知りたい方は、以下をご覧ください。

カカオの木を世話することは、家族の世話をするのと同じです。カカオの木を自分の子どものように考え、同じように愛情を注ぎ、思いやり、栄養を与えることで、豊かな農園と家族を持つことができます”

Brega Bi Kouadio Appolinaire、カカオ生産者、コートジボワール

生産者へのトレーニング

パートナー企業と連携し、確かなトレーニング基盤を活用して、生産者のスキルをさらに発展させます。

トレーナーの認定

生産者を指導するトレーナーは、作物栽培学やビジネスとしての農業、成人教育をカバーする、集中的な認定コースを受講します。これによってトレーナーの知識と自信が向上し、信頼度が高まります。そして模範を示しながら指導を行い、ベストプラクティスの採用を促せるようになります。

ファーマー・フィールド・スクール (FFS)

認定トレーナーは年間を通じて、生産者向けにファーマー・フィールド・スクール (FFS) を実施し、カカオ生産者グループが生産量、収入、生計を向上させるために適切な生産方法を導入するよう指導しています。

FFSは、知識の共有を維持し、生産者が定期的に参加する動機づけとなるよう、多様な研修項目を提供しています。生産関連のトピックに加え、機能的識字能力やビジネススキルなど、生産者が確かな適応能力を身につけるのに役立つ項目も組み込まれています。

ただお金のためにやっているのではなく、心から誇りに思っています。トレーニングを完了することで職業倫理を学び、仕事にやりがいを感じるようになります”

Brega Bi Kouadio Appolinaire、カカオ生産者、コートジボワール

デモンストレーション農園

デモンストレーション農園では、堆肥づくり、剪定、肥料のやり方、作物の保護方法に加え、土壌の復元や作物の多様化など、先進的な栽培方法を幅広く紹介し、学習を促します。この農園は、こうした技術の利点を実演し、最新かつ効果的な生産方法を取り入れるよう生産者を促すのに役立っています。

カリキュラム

登録しているすべての生産者は、2年サイクルの中で持続可能なカカオ生産に必要な能力を構築し、意識を高めるためのトレーニングを受けます。トレーニングには次のような内容が盛り込まれています。

適切な生産方法

除草

カカオの木の成長過程において、最初の3年間は除草が不可欠です。根を張るスペースを最大限確保して栄養の吸収に理想的な環境をつくり、できるだけ害虫が繁殖する余地をなくすため、生産者は手作業で除草する技術のトレーニングを受けます。

日差しのコントロール

遮光は成長のあらゆる段階で重要であり、幼木のうちは遮光率75%ほど、成木になってからは25%が適切です。生産者は間作*など、さまざまな方法で日差しをコントロールする技術を学びます。

*間作: 主作物の空いている土地に副作物を栽培すること。

病気・害虫の予防

カカオ農園では、木に病変や害虫がないか定期的にチェックする必要があります。生産者は、実が黒くなっていたら埋めるか燃やすかして早期に除去するなどの予防策を学びます。殺虫剤は最後の手段としてのみ使用するべきとしています。

剪定

生産者は剪定技術のトレーニングを受けます。これにより、木の周りや内部の空気循環が改善され、害虫や病気が蔓延するリスクを減らすことができます。枝葉が整って収穫しやすくなるのに加え、葉と実にバランスよくエネルギーが行き渡り、葉の隙間から降りそそぐ太陽光の量も増え、生産性が向上します。

百聞は一見にしかず

多くの場合、新しい手法を有効なものだと信じてもらうには、証拠が必要です。私たちの活動地域のとある生産者は、剪定職人がまだ実のなっている枝を切り落としたのに腹を立て、まだ作業の途中だった剪定職人を追い出してしまいました。ところが数ヶ月後、剪定された木が力強く成長し、より多くの実をつけているのを見て、生産者はその剪定職人に戻ってきてほしいと懇願したということです。幸運にも自分の目で証拠を確かめることができたその生産者は、今では剪定によって作物の収穫量が増え、木が健康になり、ビジネスにも良い影響を与えると信じるようになりました。私たちは、コミュニティの若者が専門の剪定職人になり、技術と経済的機会を得て、地元の生産者に重要なサービスを提供できる人材となるよう働きかけています。

収穫

生産者は、収穫に最適なタイミングと熟度、幹表面の花の芽や樹皮を傷めないための道具、豆を傷つけずに取り出せるカカオポッドのひらき方など、適切な収穫技術のトレーニングを受けます。

農園の再生

生産者は、1年間に収穫できる実が10個に満たない木や、30年以上経過した木は除去して、新しい苗に植えかえるよう指導を受けます。状態のいい素材のみを使用するべきだからです。一部の木は大幅に剪定されて接ぎ木され、第2の生命を与えられることもあります。

土づくり

土の深さが十分でないと、雨で土が流されて割れ目ができてしまい、土壌の栄養分も失われます。さらに、土壌を酷使すると必要な栄養分が枯渇してしまいます。生産者はどうすればこの問題を解決できるかを学びます。例えば、土壌を覆い、枯れ葉などの植物を混ぜて微生物を増やす方法があります。

ココアホライズン財団は、カカオハスク(カカオ豆の外皮)を使って堆肥をつくり、カカオ豆の発酵にバナナの葉を用いるよう生産者を指導しています。また、カカオのようなマメ科の植物を育てることによって土壌が豊かになり、食用作物をつくれるようになることも教えています。

環境にやさしい生産

トレーニングでは、環境にやさしく持続可能な生産への認識を高め、知識を深めることに重点を置いています。

機能的識字能力

必要に応じて、地元の専門家が生産者に基本的な読み書きと計算を教えています。  

子どもの保護

ファーマー・フィールド・スクールのカリキュラムには、児童労働への取組みが必須項目として組み込まれています。トレーニングの目的は、児童労働問題に対する意識を高め、子どもたちの就学を推進することです。

トレーサビリティ

カカオ豆を生産者から倉庫まで追跡できるシステムを導入していることからもわかるように、生産者と購入者の倉庫を結ぶサプライチェーンに透明性を持たせることを目指しています。収穫を開始する際、生産者はこのトレーサビリティシステムの実施についてトレーニングを受けます。

品質

トレーニングでは、生産者がカカオの品質要件を満たし、生産品を販売できるようにすることにも重点を置いています。

健康と安全

健康と安全についてのトレーニングは、ファーマー・フィールド・スクールの一項目として行われます。生産者が自身と他の労働者の安全を確保するために必要な知識と道具を提供し、コミュニティの福祉を支援しています。

生産者のサポート

プレミアムについて

バリーカレボーがココアホライズン認証製品として販売する持続可能なチョコレート・ココア製品を購入したお客様は、購入量に応じてプレミアムを支払うことになります。その一部は生産者や生産者グループに直接支払われ、生産者の収入が上がり、農園やコミュニティに投資することが可能になります。残りは私たちが取り組んでいるカカオのサステナビリティ活動支援に使われ、カカオ生産者のさらなるエンパワーメントに活用されます。

農園サービス提供モデル

このモデルは、生産者グループおよび資材サプライヤーと提携することにより、専門知識(剪定の専門家)や資材(作物の保護製品や肥料など)、種苗へのアクセスを容易にします。
 

生産者の資金運用

新たな資金運用ソリューションを開発し、貯蓄をサポートすることにより、生産者は農園や生産性に投資することができるようになります。例えば、モバイルバンキング技術が開発され、生産者はリモートで支払いを受けられるようになり、安全で確実な取引と貯蓄が可能になりました。

生産性の向上は生産者の生計を改善し、カカオ栽培を次世代にとって魅力的で持続可能なビジネスにするための第一歩であると、私たちは信じています。ココアホライズン認証製品の売上で得たプレミアムの37%は、生産性のトレーニングに充てられています。