環境

ココアホライズン財団は、森林を破壊しない、カーボンポジティブなカカオのサプライチェーン実現に全力で取り組んでいます。

ココアホライズンが注力している活動および生産者コーチングは、炭素隔離を促進して二酸化炭素排出を削減し、森林を破壊しない調達を確実にするのに役立っています。 
 

森林破壊ゼロを達成することで、さらなる排出を防ぐ

森林破壊をゼロにし、カーボンポジティブなカカオ農法を行うことは、農民を貧困から救うことに繋がっています。改良されたカカオ生産によって十分な生計を立てている生産者は、森林伐採のせいで新たな土地を開墾しなければならないことは、ほぼありません。森林破壊を防ぐため、すべての農園はGPSポリゴンでマッピングされ、保護区内でないことが確認されています。 また、森林の減少をモニタリングすることで、毎年の森林減少の度合いを評価し、生産者と協力してアグロフォレストリーなどの方法で過去の炭素負債を補填しています。一度プログラムに登録した生産者でも、森林破壊が続いている場合は、プログラムから除外されます(森林破壊に対する意識を高めるため)。

 

アグロフォレストリー:気候変動に強い農業でレジリエンス(回復力)を高める

アグロフォレストリーとは、その土地の地球物理学的・社会的条件を考慮し、同じ土地に樹木と作物を意図的に融合させるシステムです。効率的に行うには、それぞれのシステムを地域の条件に合わせる必要があります。そのため、私たちはまず農場の診断から始めます。そして、研修や高品質の苗木、技術的な支援によって、生産者をサポートします。生産者は毎年モニターされ、進捗が確認され、環境サービスに対する対価を受け取ることができます。

アグロフォレストリーには、日陰管理によるカカオ生産の最適化、栄養循環と土壌肥沃度の向上、侵食防止、カカオの木の生産寿命の延長、カカオ生産にもっとレジリエンスを持たせるための農産物多様化の推進など、さまざまな利点があります。同時に、複数の収入源から収入を増やし、製品や収入に対するリスクや、生産コストへの影響を軽減します。

 

かけがえのない自然生態系の復元

森林保護、再生、アグロフォレストリーなど、複合的なランドスケープ・アプローチを採用しています。この活動を通じて、かけがえのない自然生態系を復元させるだけでなく、地域社会の雇用機会も創出しています。

 

カーボンニュートラルに向けた活動の推進 

生産者は気候変動にも対応できる農業を学びます。
- カカオの区画にある残留物を除去したり焼却したりするのではなく、*グランドカバーや**マルチングにしたり、そのままにしておくことによって土壌に有機炭素を保持すること、または収穫や剪定をすること。
- 残存する森林の樹木を保持すること。
- カカオの木の密度を高めること。
- カカオ以外の樹木を増やす。生産者にとっては、果実栽培、薪、木陰作成、木材用として、また薬用・ハーブとしての価値がある木です。木は、カカオの区画に(木陰を作るために)植えられることもあれば、カカオの区画以外の農場内(「生垣」、防疫帯、休耕地や未利用地、家庭の近くなど)にも植えられます。

*グランドカバー: 花壇や通路の土が見えているスペースに植える植物のこと。
**マルチング: 植物を植えた表面の土をビニールや小石、ワラなどで覆うこと。